いびつな容器について

ボトルラベラーBLG2000をご利用していただいている某化粧品メーカー様から、同じ容器なのにラベルの貼り合わせがうまくいくものといかないものがある、とのご指摘を受けました。(ごく)希にですが、このようなご指摘を受けることがあります。

ラベルの貼り合わせにずれがない

貼りずれなし

ラベルの貼り合わせにずれがある

貼りずれあり

電話で伺っても原因が分からず、実際に現場で見てみますと、ラベラーの設定は何も問題ありませんでした。ですが、いくつか容器を比較してみると容器の成型(の品質)が一定ではありませんでした。

たまたまですが同じボトルを使ってボトルラベラーBLG2000を使っている、別のお客様がいます。こちらでは問題なく使っていただいています。不思議に思ってその通りをお話してみました。実は私どもには言われていないある“秘密”が有りました。

後者のお客様は容器の販売を中心に容器検査などもされている専門業者様ですが、同じ形の同じ品番の容器も、製造に当たっては型をいくつも使っているので、型によって製品の仕上がりに癖があると教えていただきました。それをご存知なので、容器の型番、成型ロットごとに分けてラベラーの設定をし、型番やロットが変わると設定を出しなおしてラベル貼りを行っているとのことでした。

成型のロットにより型が少しだけ変わります

Aの列、Bの列は同じ成型と言えますが、一見同じに見えてもA、B、C、Dが成型上、完全一致するとは限りません

異なる型番号の容器が混ざっているような場合、かすかな誤差が発生することがあります。全く同じように見える円筒形の容器でも、容器のひずみはゼロではありません。容器のひずみ(特に胴部分の膨らみや凹み)が全く同じであれば、ラベラーの設定をそれに合わせればいいのですが、各々が違う向きにひずみがあると、ボトルラベラーは容器を回転させてラベルを貼るので、そのひずみの通りにラベルの向きがずれてしまいます。

また、スクリュー式キャップの締め機(いわゆるキャッパー)においても似たようなことが言えます。容器のネジ部とキャップのネジ部の組み合わせが異なると、同じ機械の同じ設定で使用すると、キャップの締めすぎ、ひどい時には充填物の漏れが起きる原因になります。

もちろん当社の基本姿勢として、きれいにラベルを貼れないラベラーを販売する訳ではありません。必ず最初にお客様から容器をお預かりし、容器の成型、きれいにラベルを貼れるのかを確認してから、お客様と打ち合わせをし、ご納得いただいてからのお渡しになります。

ちなみに円筒形容器の成型は、胴部が膨らんでいるのか、凹んでいるのかを、下の写真の様に、平らな面に容器を寝かせると、簡単に見分けがつきます。

容器と容器の胴部に若干の隙間が見えます

容器の胴部に隙間が見えます

毎回同じように美しくラベル貼りを行うには、容器の品質管理もひとつの要因となってきます。容器の仕入れに当たって、型番や製造ロット毎に分けることが出来れば、快適に美しいラベル貼りが出来ますね。

この事例に該当する機種は…