スピードと精度

包装資材・梱包関係のお客様から、化粧品の小さなプラスチックケースの底面全面に、ラベルを貼りたいという案件がありました。貼り付け面いっぱいに ラベルを貼ることとなると、精度良く貼れないと、すぐにラベルが貼り付け面からはみ出てしまいます。化粧品のようにイメージを重視するものはこれに限ら ず、高い貼り付け精度を要求されます。プラスチックケースの平面にラベル貼り付けをするので、対応機種はTL-104になります。

要求されている精度は±0.5mmです。実は過去にこの精度での平面ラベル貼りは経験しています。その時はラベル貼り能力を落としてゆっくり貼ることで±0.5mmを達成しました。

お客様にデモを行ったとき、速度を落として精度の方はOKをいただきました。しかし、何とか能力を落とさずにこの精度を出せないかという要望がありました。

能力を変えずに貼り精度を良くするには、メカ部分の見直しも必要ですが、心臓部である制御の部分からの見直しが必要でした。従来のTL-104は専用の基 板を使って制御をしているのですが、PLC(Programmable Logic Contoroller)での制御を新たに設計しなおしました。また、新しい試みとして、液晶のタッチパネルを採用しています。

液晶のタッチパネルはボタンの配置や機能を自由にできる反面、ユーザーが使いやすい操作画面を作らないと、難しくて使いにくい機械になってしまいます。

限られた時間の中で、できることはすべてやりつくし、納得のいくラベラーに仕上がりました。能力は以前と変わら ず、ラベル貼り精度は±0.5mmを実現できました。精度を上げるための工夫を随所に施してあります。また、初めて使う人にも分かりやすいような操作画面 に仕上がっています。タッチパネルには困ったときにその場で見れるQ&Aが付きます。

能力を下げることなく、ラベル貼り精度の良い製品を納めることができ、お客様にもとても喜んでいただけました。初めての挑戦が多かった案件ですが、今後のラベラーのラベル貼り精度向上にも繋がる、いい勉強をさせていただきました。

ラベラーの操作はタッチパネルで行います

タッチパネルで操作します

この事例に該当する機種は…

専用の容器投入部を作りました

専用の容器投入部

TL-104をベースにお客様の要求された能力と貼り位置精度をクリアしました

外観はシンプルです